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2019-11-07 19:00:00
『がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン2019年版』(日本がん看護学会、日本臨床腫瘍学会、日本臨床腫瘍薬学会)が2月に発行されました。このガイドラインは、がん薬物療法の業務に携わる医師、薬剤師、看護師の職業上の曝露対策に関する指針とも言うべきものですが、抗がん剤調製で使用する機器、器具については、人手調製用のクリーンベンチ、BSC、アイソレータ、CSTDについて述べるに留まり、人手に依らない調製装置、ロボットにはまだ言及していません。
一方、現在最終論考中のUSP (米国薬局方)General Chapter 797は、抗がん剤の調製装置に踏み込んだ内容もあって、ようやく人手に依らない装置、ロボットについて指針が出ることになる予定です(2020年初めに公布見込)。
これによると、上述の人手調製機器、器具にくわえ『RABS』(Restricted-access Barrier System-制限付きアクセスバリアシステム)についての記述があり、その定義は「HEPAフィルター処理されたISO Class 5の単方向空気を供給する囲い。汚染空気の移動を防止するよう設計、検証され、調製中は通常開閉させない仕組みの開口部を通して、薬剤、器材の出し入れが可能な装置」で、まさにアポテカの設計コンセプトそのものと言えます。(循環、排気率については特に記述なし。)
USP General Chapter 797は公布されると米国で法的拘束力を持つ規定であり、上述のガイドラインの次回改定でも盛り込まれることになろうと期待されます。
参考: USP General Chapter 797